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民族音楽学

世界のさまざまな民族の音楽に関する話題、音階・リズムなど音楽構造の比較分析

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世界のさまざまな民族の音楽に関する話題、音階・リズムなど音楽構造の比較分析

日本の音階(1)いろいろな種類と理論を研究史から整理する【民族音楽学】

日本の音階について調べていると様々な名前が出てきますが、「研究者/学説の違いのために別の名前の音階でも中身は同じだった」なんてことがよくあり非常に分かりづらくなっています。

陽旋法/田舎節は地方に多い音階だと考えられて名付けられました。しかしその後の研究で実際に地方の民謡を調べると数が少なく、新しい分類「民謡音階」が提唱されます。

そこで日本の音階をスッキリと理解するために、簡単に研究史を振り返ってみることで様々な命名や理論を整理しつつ、過去の説がどのようにアップデートされてきたのかを見ていきます。

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【新刊のお知らせ】ケルト音楽のメロディー1 音階と旋律法

ケルト音楽のメロディー1 音階と旋律法

この度ケルト音楽の音階構造・旋律法についての研究本を執筆・刊行しました。アイルランドやスコットランドを始めとしたケルト系民族の伝統音楽を、旋律法や民族音楽学の視点から分析する音楽研究本です。

他のヨーロッパ地域や日本を含むアジアの音楽との比較にも紙面を割きました。幅広い視点から改めて音階やメロディーという概念を捉えるきっかけになればと思います。

本の詳細はこちらの特設サイトから:
ケルト音楽のメロディー1 音階と旋律法 | 特設サイト

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無印良品『BGM』―現地で活躍する音楽家による民族音楽が手軽に聞けるシリーズ―

無印良品で流すためだけに現地に出向いて演奏家を手配・レコーディングするという気合の入った無印良品オリジナルのBGMです。

アルバムごとにその地域の音楽に通じたコーディネーターの人が関わり、現地で活躍する若手や一流のアーティストを呼んでいます。詳しい人が見れば「このアーティストも!?」とビックリしてしまうような顔ぶれになっています。

今のシリーズは2番から始まり2021年に26ポーランド編も加わって合計で25作もの超大作になりました。「民族音楽に興味があるけど何から聞いたらいいか分からない」という人にもオススメです。

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ゲーム音楽の中のケルト音楽・北欧音楽要素とハイファンタジー作品との繋がり

ゲーム音楽の中のケルト音楽・北欧音楽要素

映画音楽やゲーム音楽では作品の世界観に応じて、世界各地の民族音楽の要素を取り入れることがよく行われます。ハイ・ファンタジー作品には北欧系やケルト系を始めとしたヨーロッパ各地の民族音楽、それに中世ヨーロッパの古楽などが定番です。

今回はケルト音楽や北欧音楽好きの有名なゲーム音楽作曲家による曲とエピソードについて、植松伸夫さん・光田康典さん・なるけみちこさんの3人を取り上げました。

また、そもそもハイ・ファンタジー作品になぜ北欧やケルトが関わるのか?という点を作品の源流を辿って明らかにしていきます。

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ケルト音楽とは?―楽器・歌と音楽の特徴―

ケルト音楽とは?―使われる楽器・音楽の特徴―

ケルト音楽(Celtic music)とは、今でもケルト語や関連する文化を残すケルト系民族の音楽、あるいはそうした人々の住む国や地域であるケルト文化圏の音楽です。

文化圏はアイルランド、スコットランド、マン島、ブルターニュ、ウェールズ、コーンウォールと大西洋岸の6地域にまたがって存在します。また繋がりが深い地域としてケープ・ブレトン島、ガリシアがあります。

ケルト系の少数言語を守る取り組みの一環として、ケルト音楽祭と同時に地域固有の言語や伝統文化を学ぶワークショップを開くイベントは「国際ケルトフェスティバル」へと成長します。近年こうしたイベントが開かれる機会もさらに増えるなど取り組みが進んでいます。

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